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Column

2012年2月5日更新

第9回「ニューオリンズ・ブラスバンド1945~2012」

はじめに

ドラム担当三輪です。

今回は、ニューオリンズ・ブラスバンドの今むかしということで1940年代から現在までの録音をたどって書いてみようと思います。

ジャズのルーツとされている音楽はいくつもありますが、その中でもニューオリンズ・ブラスバンドは重要な部分を占めていると言えるでしょう。

日本で江戸時代が終わろうとしていた頃、アメリカ合衆国では1865年に南北戦争が北軍の勝利で幕を閉じます。

この戦争で負けた南軍の軍楽隊の楽器が安い値段で巷に出回ったため、貧しい黒人でも楽器を手に入れる事ができるようになりました。

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そして1870年代からニューオリンズでも黒人たちによるブラスバンドが結成されていきます。

楽器の編成は、コルネットやトランペット、トロンボーン、クラリネットやサックスといったメロディ担当の楽器に、ベースラインを担当するチューバ、スネアドラムにベースドラムといったところです。1950年代まではバリトンホルンやアルトホルンも加わっていました。

演奏されるのはマーチだけではなく、ラグタイムやスピリチュアル、ブルース、民謡など、当時街の人々に親しまれていたさまざまな曲であったようです。行進可能な編成だったためフットワークが軽く、マルディグラをはじめとしたカーニバルをはじめ、葬列に加わって演奏したり、結婚式などのパーティー、ピクニック、選挙などあらゆる街の行事に用いられたようです。

当時のパレードの様子を知るミュージシャンの証言によると、ブラスバンドには常にベテランのメンバーが揃っていて、若手のミュージシャンはなかなか演奏に加えてもらえなかったようです。バディ・ボールデンやバンク・ジョンソン、キッド・オリー、ベイビー・ドッズなどジャズ草創期のミュージシャンはブラスバンドでの演奏を経験しており、これは現在のニューオリンズでも当てはまる部分があります。

ちなみにバディ・ボールデンが生まれた1877年、ある新聞記者がニューオリンズにやってきます。

ギリシャ生まれのその人は、ラフカディオ・ハーンといい、後に日本へ移住し小泉八雲と名乗ることになります。

彼の滞在した10年間はジャズ誕生の直前期であり、彼が街を歩き回って収集し書き残した人々の生活文化は、非常に貴重な資料となっています。音楽についても多数記述が見られ、きっと最初期のブラスバンドも目にしたことでしょう。

彼が日本で滞在した島根県松江市は、いま日本で唯一のニューオリンズ市の姉妹都市となっています。

歴史に残るファースト・レコーディング

1.“Bunk’s Brass Band & Dance Band 1945 Sessions” (1945)

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【Bunk’s Brass Band】
Bunk Johnson/ Louis “Kid Shots” Madison – trumpet
Jim Robinson – trombone
George Lewis – clarinet
Isidore Barbarin – alto horn
Adolphe Alexander – baritone horn
Joe Clark – bass horn
Baby Dodds – snare drum
Lawrence Marrero – bass drum

1879年生まれのバンク・ジョンソン(trp)は、初代ジャズ王バディ・ボールデンの2歳年下で、16~20歳まで彼のバンドに参加します。その後に32~35歳までイーグル・バンドでシドニー・ベシェ (s.sax)などと共演しましたが、巡業先の事件に巻き込まれて歯を痛めてしまい、1933年に一度引退します。トラックの運転手をしていましたが、白人のジャズ研究家ビル・ラッセルに再発見され、1942年楽界に復帰し63歳にして生涯初のレコーディングをします。これはニューオリンズジャズリバイバル(1920年代以降、下火になったニューオリンズジャズが、再び一大ムーブメントとなった時期)のきっかけともなる録音になりました。

そのレコーディングから3年後の1945年に、ニューオリンズ・ブラスバンド初となるレコーディングが、豪華なメンバーを集めて行われました。当時黒人だけのグループではスタジオが使えなかったため、ジョージ・ルイスの自宅裏庭で携帯用録音機を用いて録音されたようです。 アルバムの前半11曲はパレード仕様の9人によるブラスバンドの演奏、後半9曲はダンスホール向け6人のジャズコンボという構成になっています。リーダーのバンクをはじめ、ジョージ・ルイス(clt)にベイビー・ドッズ(s.d.)、ジム・ロビンソン(trb)と、まさにオールスターメンバーです。

ルイ・アームストロングは、「バンク・ジョンソンは大した男だったよ。イーグル・バンドで吹いている彼をよく聞いたもんだ。このバンドはもの凄くスイングしていた。私はいつも彼について回っていたさ。そして彼は私を泣かせるくらい素晴らしい葬送曲が吹ける人だったよ」と、回想しています。元のレコード盤では、バンクが演奏をバックにジャズ・フューネラルについて解説するテイクも収められています。 力強く素朴なドラムのビートと哀愁を帯びたフロント陣のアンサンブルは、目を閉じて聴いていると、人々が楽しそうに踊る当時のパレードの様子が目に浮かんでくるようです。

【同時期に活躍したブラスバンドの録音】
Zenith Brass Band “New Orleans: 1946” 1946
Eureka Brass Band “New Orleans Funeral & Parade” 1951
Eureka Brass Band “In Rehearsal” 1956

ジャズ・フューネラルのドキュメント作品

2.“Jazz Begins” (1958)

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【Young Tuxedo Brass Band】
Andrew Anderson / John “Pickey” Brunious / Albert “Fernandez” Walters – trumpet
Clement Tervalon / Eddie Pierson / Jim Robinson – trombone
Herman Sherman – alto sax
Andrew Morgan – tenor sax
John Casimir – clarinet, leader
Wilbert Tillman – sousaphone
Emile Knox – bass drum
Paul Barbarin – snare drum

ニューオリンズの葬式には、伝統的にブラスバンドの演奏がつきます。教会から墓地に向かう葬列は“Dirge”(ダージ)と呼ばれるスローテンポの哀調を帯びた重々しい賛美歌で、死者を悼みながらゆったりと歩んでいきます。

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そして埋葬が終わると、ドラムの音が鳴り響き一転してアップテンポの曲を演奏し、街の人々もパレードに加わって盛り上がっていきます。これには魂が解放され天国へ行ったことを祝う意味が込められています。

墓地から街へ帰っていく喜びに満ちたパレードのことを、行きの葬列「ファーストライン」に対し、“Second Line”(セカンドライン)といいます。セカンドラインという言葉にはとてもいろいろな意味・ニュアンスがあり、バンドの後ろを踊りながらついてくる人々のことだったり、演奏される音楽のことだったりと、とにかくニューオリンズのパレード文化を象徴する言葉です。 また、海抜が低く古くから水害に悩まされてきたニューオリンズでは、墓地も浸水を避けるため地上に埋葬室を設け、その中に柩を納めるという特殊な形態がとられています。

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このアルバムは、ジャズ・フューネラルを12人編成でドキュメンタリータッチに再現したアルバムです。前半5曲は“Going to the cemetery”と題しスローテンポで、後半8曲は”Coming back from the cemetery“でアップテンポになります。また全編に渡ってリーダー、ジョン・カシミアのEb クラリネットが絶叫しまくるという、かなりインパクトのある作品です。

この1940~50年代にかけてのニューオリンズジャズリバイバル期の、名だたるブラスバンドの録音はいくつも残されていますが、おしなべて共通して全体にべったりとした濃厚なサウンドで、ジャズ草創期のパレードを彷彿とさせるものです。しかしながら、リバイバルも後期に入って録音されたこのアルバムは、突出してスリリングでアグレッシブな仕上がりになっています。

とにかくスーザフォンのウィルバート・ティルマンの跳ね回るベースライン、そしてベースドラムのエミル・ノックスの突き進むビート、弾けるようなシンバルのアフター・ビート。また、ポール・バーバリンによるスネアのイントロ・ロールのフレーズは、21世紀になった今でもそのまま若い世代の演奏に引き継がれています。また、アルバムのラストを飾る”Whoopin’ Blues”は、ジョン・カシミアの作曲で現在も定番の曲として演奏されています。

【同時期に活躍したブラスバンドの録音】
Olympia Brass Band / Eureka Brass Band “Olympia Brass Band 1962 – Eureka Brass Band 1962/1968”
Gibson Brass Band “Gibson Brass Band 1963&1964” 1964 & 1964
Onward Brass Band “Last Journey Of A Jazzman” 1965

ポール・バーバリンのエンターテイメント

3.“Onward Brass Band In Concert” (1968)

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【Onward Brass Band】
Ernest Cagnolatti/ Alvin Alcorn – trumpets
Wendell Eugene/ Clement Tervalon – trombones
Louis Cottrell – clarinet
Freddie Kohlman – snare drum
Jerry Green – sousaphone
Paul Barbarin – bass drum, leader
Danny Barker – banjo

さて今述べた“Jazz begins”で、スネアドラムを演奏したポール・バーバリンが、ベースドラムを担当しリーダーを務めていたのはOnward Brass Bandです。彼らがコネティカットで演奏した模様を収めたのがこのアルバムです。

このバンドは非常に歴史があり、1884年には演奏した記録が残っています。2代目ジャズ王のキング・オリバーや、ルイ・アームストロングも在籍し、バンクス・ブラスバンドに参加したイサドア・バーバリン(alto horn)はポールの父にあたります。バンドは1930年頃に活動を休止しますが、1955年にポールが活動を再開させます。ポールの息子ルシアン・バーバリン(trb)は現在も演奏しており、何回か来日しています。 このアルバムにはそれまでのブラスバントの録音と大きく異なる点が3つあります。 それは、

1ボーカルがフィーチャーされている。

2バンジョーが参加している。

3各メンバーのソロパートがある。

以上のことや、パレードナンバーから賛美歌、ブルースなど雰囲気を変えて演奏するなど、コンサートで演奏するにあたって、かなりエンターテイメント性を感じる作品です。 メンバーもインペリアル・バンドのアルヴィン・アルコーン(trp)や、オリンピアのウェンデル・ユージー(trb)、後にオンワードのリーダーを引き継ぐルイ・コットレル(clt)、そして後にブラスバンド界のキーパーソンとなるダニー・バーカー (bjo)、嵐のようなプレスロールを響かせるフレディー・コールマン (s.d.)などスター揃いです。

【同時期に活躍したブラスバンドの録音】

Eureka Brass Band “Jazz At Preservation Hall I “ 1963

Olympia Brass Band “Olympia Brass Band Of New Orleans” 1965 & 1971

【コラム】ダニー・バーカーとフェアビュー・バンド

1970年代になると、 メンバーの高齢化やリスナー離れによりブラスバンドは衰退の一途を辿ります。

そんな中、次世代にブラスバンドを伝え若いミュージシャンを育てることに特に熱心だったのが、先ほども登場したダニー・バーカーと、ハロルド・デジャン率いるオリンピア・ブラスバンドでした。

1909年生まれのダニー・バーカー(gt, bjo, vo)は「ブラスバンド・ルネッサンスの父」というべき存在で、

1930年にニューヨークへ移りルイ・アームストロングをはじめ、ジェリーロールモートン、シドニー・ベシェ、キャブ・キャロウェイ、ディジー・ガレスピー、チャーリー・パーカーなど名だたるミュージシャンと共演し活躍した後、1965年に故郷ニューオリンズに里帰りしました。 そして、彼は衰退したブラスバンド・カルチャーを目の当たりにします。

また当時のニューオリンズは生活環境が悪化し、犯罪や麻薬に染まる子供たちも多かったため、彼らを非行に走らせない為に、近所の教会に協力を得て、1970年Fairview Baptist Church Brass Bandを設立します。メンバーは子供たちばかりでした。

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メンバーには、今でもプリザベーション・ホールなど地元を中心に演奏しているリロイ・ジョーンズ (trp)やグレッグ・スタフォード (trp)、ウィル・スミス (trp)、マイケル・ホワイト (clt)、ルシアン・バーバリン (現trb、当時s.d.)や、チューバ・ファッツことアンソニー・レイスン (souse)やカーク・ジョセフ (sousa)など後のダーティーダズンのメンバーもいました。

また、世界的に活躍しているウィントン・マルサリス (trp)、ブランフォード・マルサリス (sax)の兄弟や、ハーリン・ライリー (現drs、当時trp)も参加していたようです。

1974年にバンドは解散し、リロイ・ジョーンズ率いるハリケーン・ブラスバンドが後継バンドとなり、またトルネード・ブラスバンドというバンドも生まれました。それらのバンドもブランクを経てメンバーを変えながら、また近年機会があるごとに演奏しています。

グレイト・オリンピアバンドによるパレードシアター

4.“Here Come Da Great Olympia Band” (1974)

そんな中1958年にハロルド・デジャン(a.sax)が結成し、彼をリーダーとして率いたオリンピア・ブラスバンドは40年以上にわたってニューオリンズのブラスバンドシーンの第一線を駆け抜けた、まさに伝説的なバンドです。

初期はサックスのリフが印象的なオールドスタイルなサウンドでしたが、90年代にはフロント陣とピアノやバンジョーが入り、セパレートドラムからセットドラムも入った演奏が多くなりました。あの007シリーズ“Live and Let Die”にパレードのシーンで出演もしています。

バンドは若いミュージシャンの育成にも熱心で、1986年には当時14~16歳の子供たちを集め、Olympia Junior Brass Bandとしてレコーディングを行いました。そのメンバーは現在もリバースやニューバース・ブラスバンドで演奏しています。また1992年には別の若手ミュージシャンを集めYoung Olympians名義でルイ・アームストロングのトリビュート盤をリリースしましたが、そのメンバーはその2年後にソウル・レベルズとしてデビューします。

ここで紹介するのは、1974年の”Here Come Da Great Olympia Band”です。

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【Dejan’s Olympia Brass Band】
Milton Batiste / Edmond Foucher / Kid Sheik Colar – trumpet
Gerald Joseph / Lester Caliste – trombone
Harold Dejan – alto sax
Emanuel Paul – tenor sax
William Brown / Allan Jaffe – bass horn
Andrew Jefferson – snare drum
Nowell Glass – bass drum

このアルバムはセカンドラインでの人々の喜怒哀楽を感じることができます。
1曲目の“Everything’s Lovely”はハロルド・デジャンの座右の銘でもあり、サウンドも底抜けに明るい仕上がりです。それに対して、”Westlawn Dirge”や”Just A Closer Walk With Thee”には教会の鐘の音や叫び声、果ては雷鳴まで入っていたりして、ストリートの生々しい雰囲気が表現されています。

【同時期に活躍したブラスバンド】
Doc Paulin’s Marching Band “Doc Paulin’s Marching Band” 1980
Young Tuxedo Brass Band “Jazz Continues” 1983
Excelsior Brass Band “Jolly Reeds And Steamin’ Horns” 1983
Flo Ankle’s Majestic Brass Band
Fairview Baptist Church Brass Band
Hurricane Brass Band
Tornado Brass Band

革命集団ダーティーダズンによるルネッサンスアルバム

5.“My Feet Can’t Fail Me Now” (1984)

もとも経済的に恵まれない人の多かった黒人社会で、互助組織として発生したのが、ソーシャル&プレジャー・クラブというものです。もともとは「正当な埋葬」と、「遺族の未来」を保障する為に発足したとされ、今でもジャズ・フューネラルやセカンドラインパレードを主催するコミュニティー集団です。そんな団体の一つが、Dirty Dozen Social & Pleasure Clubでした。そのクラブがブラスバンドのライブを始めることになりメンバーが集められました。
こうしてダニー・バーカーのフェアビュー・バンド出身のメンバーを中心に、1977年ダーティーダズン・ブラスバンドが結成されます。
そしてバンドはオランダなどにツアーに出た後、1984年ブラスバンド・ルネッサンス幕開けの象徴的なアルバムを彼らのファースト・レコーディングとしてリリースします。

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【Dirty Dozen Brass Band】
Gregory Davis – trumpet, snare drum
Efrem Towns – trumpet
Kevin Harris – tenor saxophone
Roger Lewis – baritone/soprano saxophones
Charles Joseph – trombone
Kirk Joseph – sousaphone
Jenell Marshall – snare drum, vocals
Benny Jones – bass drum

それまでのブラスバンドとは一線を画し、ビバップ・ジャズやR&Bの要素を取り入れた斬新なサウンドで後進のミュージシャンに多大な影響を与えることとなります。フロント陣のクリアなアンサンブル、うねりまくるスーザフォンのベースライン、そこに疾走感のあるドラム隊と、カウベルやタンバリンなどのパーカッションが彩りを添えています。

当時このアルバムを毎日のように聞いてメンバーのところへ練習に来ていた高校生が、リバース・ブラスバンドの創設メンバー、キース・フレイジャー(b.d)でした。彼はこのアルバムでベースドラムを担当しているベニー・ジョーンズ(現トレメ・ブラスバンドリーダー)のプレイについて、「それまでのドラマーが演奏していたトラディショナルなビートではなく、もっとストレートで、モダンで、それがとても心地よかった」と語っています。

毎週月曜日に「グラスハウス」というバーで行われていたダーティーダズンのライブに通ったことを回想し、「彼らの音楽は、僕らのものとは違って、速くて、クリアだった。僕らは『ニューヨーク』って呼んでたよ。ニューオリンズのフィーリングはもっとレイドバックするものさ」とも言っています。このエピソードからも、当時若い世代にどれだけ影響を与えたかが伺えます。

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長らく絶版になっていましたが、2010年にデジタルリマスターされ再販されました。
その後ファンクやロック、ラテンなどもたっぷりと取り込み、編成もドラムセットを取り入れたりエレキギターやキーボードを導入しサウンドは常に進化しています。最近は毎年来日公演をしており、2012年に結成35年を迎え、記念アルバム”Twenty Dozen”を発表しました。

【同時期に活躍したブラスバンド】
Tuba Fats’ Chosen Few Brass Band “Street Music” 1984
Algiers Brass Band “Lord, Lord, Lord” 1990
All Star Brass Band
Pinstripe Brass Band
Olympia Junior Brass Band
Rebirth Brass Band

ヒップホップ世代の幕開け

6.“Take It To The Street” (1992)

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【Rebirth Brass Band】
Kermit Ruffins / Glen Andrews – trumpet
Stafford Agee / Reginald Steward – trombone
John Gilbert – tenor saxophone
Philip Frazier – sousaphone
Ajay Mallery – snare drum
Keith Frazier – bass drum
Louis Jordan / Michael Brooks – percussion

1982年に、カーミット・ラフィンズ (trp), フィリップ・フレイジャー(souse), キース・フレイジャー(b.d.)を中心に結成されたリバース・ブラスバンドの5枚目のアルバムです。このアルバムのリリースされた1992年にカーミットはリバースを卒業し、彼のバンド、バーベキュー・スインガーズを結成。現在でもニューオリンズでほぼ毎晩演奏をし、「パーティーキング」の異名を取るまでになっています。2012年にはミュージシャンの多く住むトレメ地区に自身のライブバー”Speak Easy”をオープンさせました。 カーミットが正規メンバーとしてレコーディングした最後の作品になりますが、彼の底抜けにハッピーなサウンドが全編通して炸裂しています。Metersの”Hey pocky Away”あたりをルーツとする「ランニング・ビート」(Keith Frazierがそう呼んでいる)の他にも、”Caledonia”ではブギウギ、”Steppin’ Out”ではレゲエ、”Same Thing On”では8ビートなど、多様なリズムパターンで味付けされており、前述の”My Feet Can’t Fail Me Now”からわずか8年で、よりサウンドが進化したと言えるでしょう。 ニューオリンズを活動の拠点にしながら世界ツアーも行い、2012年2月にはアルバム”Rebirth Of New Orleans”でグラミー賞、リージョナル・ルーツ・ミュージック・アルバム部門を受賞しました。

【同時期に活躍したブラスバンド】
Treme Brass Band “Gimme My Money Back” 1995
Young Olympians Brass Band
Soul Rebels Brass Band
New Birth Brass Band
Li’l Rascals Brass Band
Mahogany Brass Band
Paulin Brothers Brass Band
Trombone Shorty’s Brass Band
High Steppers Brass Band

新世代ブラスバンド

7.“Rock With The Hot 8” (2005)

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【Hot8 Brass Band】
Alvarez Huntley / Terrell Batiste / Raymond Williams – trumpet, vocals
Joseph Williams / Keith Anderson / Jerome Jones /Jerreau Fournett – trombone, vocals
Wendell “Cliff” Stewart – saxophone, vocals
Bennie “Big Peter” Pete – tuba, vocals
Dinerral “Dic” Shavers – snare drum, percussion, vocals
Harry “Swamp Thang” Cook – bass drum, vocals
Becky Lou – percussion
Honorary Members:
Herbert Stevens / Shamarr Allen – featured #5, 6
Maurice Curtis featured #6
Albert Davis featued #2, 4, 5, 6, 7, 8, 9
Rodrick Paul featured #1, 10, 12, 13

2005年にリリースされた、ベニー・ピート (souse)率いるホットエイト・ブラスバンドのファーストアルバムです。バンドは1995年に設立されたそうで、リバースの創設メンバー、「ウルフ」ことキース・アンダーソン (trb)がメンバーとしてクレジットされているほか、同じくリバースでも活躍しカーミットやアラン・トゥーサンなどとも共演しているロドリック・ポウリン (sax)や、今やソロミュージシャンとして地元で売れっ子のシャーマール・アレン (trp)も参加しています。

このアルバムは、現地のハイスクール・マーチングバンドを彷彿とさせるフロント陣の力強いユニゾンと、スーザフォンとベースドラムが紡ぎ出す比較的ゆったりとしたテンポの曲が多いのが特徴です。曲も“E Flat Blues”、”I’ll Fly Away”などのトラディショナルなものから、Marvin Gayenの”Sexual Healing”や、Mazeの”We Are One”などのカバー、そしてメランコリックな雰囲気が漂うオリジナル曲と盛り沢山です。 2006年に早すぎる死を迎えたダーネル・シェイバーズ (s.d.)の縦横無尽なスネアプレイも、リズムパターンに新風を吹き込みました。

当アルバムリリース後は、毎年のようにニューオリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバル(通称:ジャズフェス)でのライヴ盤を出していましたが、2012年11月に待望のセカンドアルバム”The Life & Times Of…”が発売されるようです。先行してシングル盤も発売中とのことです。

【同時期に活躍したブラスバンド】
Coolbone Brass Band
Forgotten Souls Brass Band
Stooges Brass Band
Royal Players Brass Band
Kin Folk Brass Band
Orleans Brass Band

スクールエイジの挑戦

8.“Jefferson Parish” (2012)

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【Young Pinstripe Brass Band】
Noel Freeman / Gregory Warner / Jeremy Cole – trumpet
Samuel Venable Jr. / Terence Green – trombone
Johnie Darby – saxophone
Herbert A McCarver IV – tuba
Glen Finister – snare drum
Jay B. Galle – bass drum

2012年にブルー・トレイン・プロダクションというレーベルから、ニューオリンズの若手ブラスバンドのアルバムが一挙に6枚リリースされました。これは非常に稀有なことで、過去に例をみません。その中からここではヤング・ピンストライプ・ブラスバンドをご紹介します。

2009年に、ハーバート・マッカーバー4世(sousa)を中心に結成されました。彼は2008年にニューバース・ブラスバンドのメンバーとして来日もしています。そして彼の父親は1977年結成のピンストライプ・ブラスバンドのリーダー、ハーバート・マッカーバー3世(s.d.&vo)です。ピンストライプはトラディショナルな中に独特のグルーヴ感と勢いのあるヴォーカル、コール&レスポンスで特徴のあるいなたいサウンドのアルバムを、今までに2枚出しています。

さて本作は、冒頭のグローバー・ワシントン・ジュニアの”Just The Two Of Us”を始め、マービン・ゲイ、マイケル・ジャクソン、アース&ウインド・ザ・ファイアなどソウル、R&Bのカバーアルバムとなっています。その一方、ボーナストラックで”When The Saints Go Marchin’ In”を扱うなど、伝統を受け継いでいこうという意思も感じられます。実に67年の時を超えて、バンクス・ブラスバンドの「聖者の行進」と聴き比べてみるのも、一興かもしれません。

【現在活動している主なブラスバンド】
Dirty Dozen Brass Band
Rebirth Brass Band
Treme Brass Band
Soul Rebels Brass Band
Hot8 Brass Band
Stooges Brass Band
To Be Continued Brass Band
Free Agents Brass Band
Baby Boyz Brass Band
We Are One Brass Band
Young Fellaz Brass Band
New Boyz Brass Band

おわりに

今回は1940年代から2010年代まで8枚の作品をご紹介しました。
時代は変わっても、ニューオリンズの街の人々の生活とともにあるのがブラスバンド・ミュージックだとおもいます。
もちろんここで取り上げた以外にも、魅力のあるブラスバンドの録音はたくさんあります。

最近ではiTunesやAmazonで手軽に聞けるほか、
ニューオリンズのレコード屋さん”Louisiana Music Factory”のウェブショップから通信販売で手に入れることも出来ます。
加えて毎年5月に開催されるジャズフェスの録音は“Jazz Fest Live”のサイトから購入可能です。

読みづらい点多々あったかと思いますが、なにとぞご容赦ください。
また、気になる点ございましたらご指摘いただけたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

三輪 朋彦